初公開されている釈尊絵伝の原画

初公開の原画 釈迦の生涯を表現

宇治市の平等院にある資料館「平等院ミュージアム鳳翔館」で、夏期特別展「野生司香雪(のうす・こうせつ)―釈尊に生涯を捧げた仏画家―」が始まった。9月14日(木)まで。
今回の展示は、野生司が4年かけ1959年に完成させた7枚組みの絵画「釈尊絵伝(しゃくそんえでん)」の原画を中心に、自筆の手紙などの資料を一堂に集めた。原画の一般公開は初という。
野生司香雪(1885~1973)は、1932年から5年かけインド・サルナートにある寺院へ仏画「釈尊一代記」を描くなど、釈迦の生涯を絵で表現することを中心に国内外で活躍した。
釈尊絵伝は、公益法人仏教伝道協会を設立した沼田惠範(えはん)が、野生司に制作を依頼した。カレンダーの絵柄や販売など複製利用を念頭に描かれたため、完成後に原画が展示されることは一度もなかったという。同協会が修繕し、約60年ぶりに日の目を見ることになった。
7枚の仏画は、釈迦が、母の摩耶夫人の胎内に宿ってから、誕生して悟りを開き、入滅するまでの一連を、鮮やかな色づかいで描いている。シーンの描写は、野生司自身が調べた文献や資料を基に再現しているといい、学芸員の田中正流さんは「満足できるものを作りたいという、野生司自身の研究成果を表したものと言ってもいい」と話している。
このほか、仏教伝道会主催の「第4回一日一訓カレンダーフォトコンテスト『ほとけの心』」入選作品写真展も同時開催している。
会期中は無休で、途中展示入れ替えする予定。鳳翔館は午前9時から午後5時まで。入館は無料だが、別途拝観料(大人600円、中高生400円、小人300円)が必要。【盛川振一郎】