インタビューに応じる荻野まどかさん

地域から世界へ発信伝統文化

ちっちゃい頃から、何となく外国にあこがれていた。様々な機会に、韓国に行ったり、アメリカでホームステイしたりした。大学生の時、1年間フランスに留学する機会があった。喜び勇んで行ったものの、ガツンと衝撃を受けた。周りから日本のことをいっぱい聞かれるが、何一つ満足に答えられない。日本人でありながら、日本について知らないことの恥くささを思い知らされた。着物モデル、司会業、女優、歌手とマルチに活躍する荻野まどかさん(29)=城陽市在住=だが、思いの原点は「世界に誇れる着物文化の普及」にある。

これまでの活躍をピックアップした写真

荻野さんは、城陽生まれの城陽育ち、城陽が大好きで、城陽を離れる気はない。奈良教育大学4回生の時、フランスのリオンにある大学に交換留学生として派遣され、語学、文化を学ぶ機会があった。学生達は、実に自国のことをよく知り、話す。そして必ず聞かれる、日本の伝統や文化のことを。だが、悲しいかな、通りいっぺんのことしか説明できない。どうかすると、フランスの学生のほうが詳しいことを知っていた。それでも、着物が似合いそうな容姿がフランスメディアの目に止まり、インタビューと写真で構成する特集記事が雑誌に掲載された、得難き経験も。
「日本のこと、伝統文化のことをもっと知らなければ。そして伝えていかねば」ーそんな強い思いを抱いて帰国後、2011年10月、京都ミス着物コンテストに応募した。伏線があった。小学校の時の社会見学で、市内の金銀糸工場に行き、城陽市が着物に使われる金銀糸の一大生産地であることを知ったことから、着物に興味を抱いていたのだ。それにしてもミス着物コンテストは、半年がかりで厳選する実に大がかりなものだった。20人の準ミスを選んだあとは、礼儀作法や着物についての知識を得る研修会や勉強会を重ね、翌12年4月の本番でグランプリに選ばれた。
1年間、観光大使として京都や着物文化をアピールする活動を行ったことで、様々な縁に恵まれ、世界遺産二条城でのイベント司会、「京都賞」のアシスタント、MBSテレビ番組「京都知新」への出演、雑誌「Leaf」のモデルから、2015年には時代劇ミュージカル「花街ラプソディ」の主演に抜擢され、歌って演じた。昨年7月には大阪万博誘致のキャンペーンでカザフスタンに出掛け、着物姿でかごに担がれる経験も。歌が好きで、ユーチューブに歌う姿をアップした。東京に仕事に出かけた時、作曲家から声を掛けられ、自ら作詞してCDを売り出した。「振り向いて京都」。素朴で情緒ある歌声が受けたのか、何と有線放送の演歌・歌謡曲部門で今週8位にランクアップされ、本人もびっくり。
今思うことは2つ。2020東京五輪と2025大阪万博(誘致活動中)を絶好機ととらえ、世界に向けた優れた着物文化発信の一翼を担いたい。今ひとつは、生れ育った大好きな城陽市での活動。昨年10月に開催予定だった「フードフェスティバル」の司会は流れたものの、今年2月には「梅まつり」のオープニングイベントの司会をつとめた。来月には、城陽酒造の新しいイベントの司会に呼ばれている。
事務所を持たず、マネージャーもいない。全てひとりでこなす。「日本の伝統文化である着物に使われる金銀糸のふるさとに生まれたこと、城陽産のてん茶が世界の宇治茶として生産されていることも知りました。この城陽の地から、世界に情報発信することができて幸せです。地元で恩返しが出来れば、と思っています」―才色兼備の人ならではの言葉には輝きがあった。荻野さんへの連絡は、ホームページ(http://madokaogino.strikingly.com/)から。【藤本博】