黄色い旗をはさんで話す地域の人達
いざという時の「共助」これで

戦後(1945年~)の主要な自然災害(地震・火災・火山噴火・台風)を、おおよそ10年単位にまとめた資料がある。40年代以降、90年代までの60年間は4件(70年代)から多い時で9件(40年代)とすべてひと桁だった。ところが00年代には15件、10年代途中の現在までにすでに17件に達し、さらに「南海トラフ」の30年発生確率は今年、「70%程度」から「70~80%」(国の地震調査委員会)に改められた。日本列島は等しく、いつ、どこで、どのような巨大災害が発生しても不思議でない時代に突入した。そんな中、京都府城陽市の富野校区では、いざという時、人の助けを必要としているかどうか、家の玄関を見ればひと目で分かるようある工夫をしている。26日に行われた防災訓練で、徹底ぶりが試された。

災害発生時、まず自身や家族の命を守る「自助」、次に隣近所で助け合う「共助」、そして公的機関による「公助」の順が重要と言われている。その「共助」の中心的役割を果たすのが自治会(町内会)。災害対策基本法に基づき、城陽市全体の避難時「要支援者名簿」はすでに作成されている。しかしながら、事実上作成主体となる自治会組織率は70%台。名簿は、共助で中心的役割を担う自主防災組織、民生委員、校区社協、消防団などが提供を受けているものの、名簿全体のうち、支援関係団体に公表することに同意した人は4割に過ぎない。
こうした実情のある中、「大型スーパー屋上駐車場への避難訓練」(17年8月)、「わが家の防災マップ作成」(17年12月)、「子どもを対象に京都市市民防災センター研修」(18年2月)など、積極的に実践的な防災訓練に取り組んでいる「富野校区防災委員会」(小泉昌平会長)は、「幸せの黄色いハンカチ」ならぬ、「安心の黄色い旗」作戦に取り組み、今年2年目を迎えた。
いざという時に時間をかけて、要支援名簿をチェックしているより、誰が見ても分かるように、避難や救助などの支援を必要としない家庭は、玄関先に見える場所に「黄色い旗」を掲げておく。要するに、旗が掲げられいてない家は、支援が必要という合図となる。昨年8月27日に行われた防災訓練で、初めて実施された。
今年も、夏休み最後の日曜日となる26日に実施される予定だったが、記録的猛暑が続き「子どもや高齢者に何かあっては大変」と校区全体の訓練は中止となった。次回は、季節を考慮して実施する方向で検討することに。そんな中、校区内最大規模の「富野堀口自治会」(山田六男会長・391世帯)は、「黄色い旗」の定着を主目的に、近隣への声かけおよび避難訓練を行った。新興住宅地ながら、自治会の加入率は94%と高い比率で、日頃から近隣の交流も活発とか。
この日の訓練には、大人60人、子ども26人が参加した。自治会の取り組みに呼応して、城陽市が非常食を提供、市消防本部は消火器を使った訓練を実施するなど協力。山田会長は「宇治市槇島町での取り組みを参考に、アイデアを取り入れました。災害は待った無しです。何回もくり返すことが大事だと思い、独自に実施しました」と地域防災の大事さを強調した。【藤本博】