久御山町、ハウス93棟が全壊
西脇府知事が現地を視察

戦後、統計を取り始めてから最強の暴風を伴った台風21号の直撃で農業用パイプハウスに大きな被害を受けた久御山町、八幡市に11日、西脇隆俊・府知事が訪れ、農家の案内で跡形もなく全壊したハウスや天窓が大きくゆがんだ鉄骨ハウスなどを視察した。特産「淀苗」のブランドで全国に出荷する久御山町藤和田地区では出荷や作付けに困惑する農家が「一時金でも何でもいい、早く支援をお願いしたい」と直訴した。

最大瞬間風速45㍍の強風が吹き荒れた久御山町では、九条ねぎや野菜苗などを中心に225棟のパイプハウスが被害を受けた。全壊数は府内最多の93棟。被害額は約2億1400万円に上る。
淀苗の生産に励む北藤育苗組合の専業農家のハウスが広がる藤和田地区を訪れた西脇知事は、信貴康孝町長らの案内で井上多美子さん(58)=女性農業士=、寺内優介さん(36)=青年農業士=の圃場(ほじょう)を視察した。
1棟が全壊し、4棟が破損した井上さんはホウレンソウの苗を栽培中に被災した。被害の大きかったハウスを案内した井上さんは「ホウレンソウの後はタマネギをする予定でいた。淀苗のブランドのおかげで京都市内の農家からの注文も多く、事情を説明してお客さんに待ってもらっているが、農家も作付けの段取りがあり、いつまでも待ってはもらえず、客離れが心配。一時金でも何でもいい、よろしくお願いします」と頭を下げた。
1棟が全壊し1棟が半壊した寺内さんは花苗を中心に栽培する園芸農家。パンジーやビオラの苗を栽培するハウスが被災した。
寺内さんは「被災したハウスから苗を降ろせるだけ降ろし、空いているハウスに移した。10月、11月は出荷のピークになり、早く復旧させたいが、材料が入ってこないので、雨が降るとその対応が大変です」と知事に窮状を説明。
「一応(ハウスは)50㍍の暴風にも耐えるのだが…」と話し、過去にない強風による被害のすさまじさに口元をかみ締めた。
被災したハウスを視察した西脇知事は「現場に来てみて被害の大きさに改めて心が痛む。近年の災害とは異なり、今回は風による被害で、農業や文化財などで被害額も多い。まず被害の把握に努め、復興に向けて全力で支援したい」と話し、補正予算を含む財政支援に意欲を示した。【岡本幸一】
【写真は台風21号の暴風で被災したパイプハウスを農家の案内で視察する西脇知事ら(久御山町藤和田)】