宇治市社会福祉協議会(奥西隆三会長)で正規職員の時間外手当が一時未払いになっていた問題で、昨年度は職員6人全員の残業が年間360時間を超え、労働基準法違反であることが1日、市の調査結果で明らかになった。そのうち2人は800時間を超過。職員1人は最大で月143時間も残業しており、過労死ライン(月100時間)を大幅に超過していた。報告を受けた市議会は全員協議会で使用者責任を追及した。

未払い問題は先月20日の市議会・全協で明らかになったもの。市は出資する市社協の昨年度の経営評価を報告したが、議員の質問に十分に答えられず、整理する時間が与えられていた。
残業は自己申告制で、事前・事後とも対応。今年1月下旬、事務所が入る市総合福祉会館の機械警備の記録と、実際の残業時間が、かい離していることが判明した。
調査の結果、16年4月から今年1月までの22カ月間に、未払いがあったのは1人増えて7人。時間外勤務の総時間は約5700時間で、そのうち1640時間が未払いと分かり、今年4月に総額約500万円を後払いした。
ただ、新たに過労死ライン(月100時間)を超えたことがある職員が2人いたことが判明した。そのうちの1人は月143時間を最大に、2カ月で基準オーバー。残る1人も最大で月102時間というのがあった。
労働基準法36条に基づく『36(サブロク)協定』を労使で締結し、時間外労働の上限を年間360時間などとしているが、昨年度(昨年4~今年3月)は対象となった6人全員が超過し、このうち2人は、いずれも813時間と倍以上となっていた。
市社協では適切な時間外勤務について職員全体に対して周知徹底したほか、市の労働時間に関する研修に参加した。総合福祉会館の機械警備のカードキーの保有を管理職等に限定したほか、事務局のファイルサーバーの稼働を午前7時から午後10時に短縮。現在、タイムカードの導入についても検討している。
大河直幸議員(共産)は事象発生の理由を尋ね、澤田市民環境部副部長は「使用者責任が大きかった。職員を含め時間外勤務に対する意識が低かった」と説明した。大河議員は36協定に特別条項が付いていないことを確認し「労基法違反。刑事罰の対象になることを認識しているのか」と指摘し、澤田副部長は「社協も認識しており、労働基準監督署と相談し、対策を検討している」と答弁。大河議員は過労死ラインを超えている点を問題視し、澤田副部長は「月100時間の超過は看過できない状況。今年度は時間外を抑制されている」とした。
宮本繁夫議員(共産)は「職員を含め時間外勤務に対する意識が低かった」との答弁に「使用者責任が圧倒的に大きい」と問題視した。