玉露発祥の地を示す碑に向かって手を合わせる奉賛会の小山会長

製茶記念日の1日、地元各地で記念行事が執り行われ、茶業関係者たちが栄西禅師や明恵上人、千利休、永谷宗圓ら、その道の礎を築いた先人たちの功績をたたえた。

■玉露発祥の地で雅やかに/小倉茶祭

小倉茶祭奉賛会(小山元治会長)による第49回小倉茶祭は午前10時30分から、小倉公民館敷地内にある「玉露製茶発祥之碑」前で営まれた。
神事には約20人が出席し、巨椋神社の宮本俊孝宮司の導きで進められた。煎茶道方円流の総師範である永谷房園さんが点てた一服を、小山会長が献茶した。
祝詞奏上に続き、小山会長をはじめ府山城広域振興局農林商工部、市農林茶業課、府茶業研究所、JA京都やましろ西宇治支店の関係者、地元の小倉連合町内会の代表者や奉賛会員らが順に玉串を奉納した。
この日は、神事に続いて公民館で茶業懇談会もあり、参加者らが茶祖への謝意をかみしめつつ、業界の発展に向けて精励を誓った。

■天災憂うも優良茶に感謝/宇治地区式典

 宇治茶商工業協会(上林秀敏宇治地区委員長)と宇治地区茶生産組合(福井景一組合長)の製茶記念式典は、午前9時から宇治神社桐原殿で営まれ、関係者約30人が集まる中、祝詞奏上の後、列席者が玉串を奉納した。
福井組合長は祭文で、天災続きという逆境を憂いつつも、全国茶品評会で優秀な成績を収められたことに感謝の意を表した。
列席者は続いて朝霧橋へ赴き、茶葉を宇治川に放った。
また10時からは同じく宇治神社桐原殿で献茶祭があり、平岡己津夫山荘流家元継(松殿山荘代表理事)がお茶を点てて奉じた。
【写真は献茶祭でお茶を点てる平岡己津夫山荘流家元継】

■駒乃蹄影碑に感謝の意/萬福寺

 五ケ庄西浦、萬福寺山門前にある駒乃蹄影(こまのあしかげ)記念碑前では、駒乃蹄影会(桑原秀樹会長)による式典があった。
萬福寺の宮﨑智旭(ちきょく)和尚が導師を務めた式典には、東宇治地域の茶業関係者など約30人が参列。僧侶の読経と鐘の音が流れる中、先人の遺徳に感謝しながら静かに手を合わせた。
式典後は、JA京都やましろ東宇治支店で総会と講演会が開かれた。㈱桑原善助商店代表取締役を務める桑原会長が「駒乃蹄影の歴史について」と題した講演を行った。
参加者たちは、代々受け継いできた高級茶づくりの継承・発展、茶業界の振興に向けて決意を新たにした。
【写真は記念碑前で焼香する関係者ら(萬福寺)】

■緑茶の癒し、後世に/宇治田原

 製茶記念日の1日、宇治田原町にある郷之口会館敷地内の茶祖永谷宗円翁碑前で記念式典の「茶まつり」が営まれた。町内の茶業関係者らが、江戸時代に同町湯屋谷で煎茶の製法を考案した永谷宗円(1681~1778年)をしのび、手を合わせた。
町内の茶の小売・卸売業者らでつくる町茶盛組合(矢野芳巳組合長)が永谷宗円を称えるため、毎年法要を営んでいる。
湯屋谷に生まれた永谷宗円は青製煎茶製法を考案した緑茶の祖。現在も同地区に生家が残され、茶宗明神社に祀られている。
この日、茶業関係者のほか西谷信夫町長や田中修町議会議長らも出席した。
同地区にある宝国寺の登田良樹住職が献茶を行ったあと、矢野組合長が「緑茶の癒しを後世に伝えた永谷宗円や数多くの先人に感謝を申し上げる。茶業関係者はこれからも茶業に邁進し、心の豊かさを伝えていきたい」と祭文を読み上げた。
西谷町長は6月に湯屋谷で「宗円交遊庵やんたん」がオープンしたことや、10月に全国茶香服大会を開催することなどを述べながら、「永谷宗円が考案した緑茶のおかげで本町はお茶のまちとして発展してきた」と、感謝の気持ちを込めた。
参列者は順番に顕彰碑の前に立ち、静かに手を合わせ、供養の後は宗円生家近くの長福寺での法要に出席。宗円の墓にも参拝し、茶業の発展に思いを新たにした。
【写真は顕彰碑の前で手を合わせる西谷町長(郷之口会館)】