冬のランナーのため新たに開発したストーブに竹ペレットを入れる上野さん

府南部で最後の鍛冶屋さんともいわれる職人の上野剛志さん(51)が京田辺市草内の京都木津川マラソン事務所で3日、地域循環型暖房の実験を公開した。来年開催される木津川マラソン大会で出店する。
井手町田村新田にある「たくみの里」で、まきストーブを研究する工場「ファイヤーサイクロン」の代表を務める上野さんは、全国的な課題となっている放置竹林問題に取り組んでいる。小さなエリアごとに処理できれば効果的と、伐採した竹を燃やして循環させるため、独自にまきストーブの改良を行う。
上野さんが開発した「サイクロンバズーカ」は、空気を取り込む穴に角度をつけ、ストーブ内部にらせんを描く構造。燃焼効率が増し、不燃物からでる煙まで燃やし切ることができる。以前は城陽市に住み、青谷地域での放置竹林対策プロジェクトにも参加した。
実験にはストーブ開発関係者ら約10人が集まった。木津川マラソン大会に今年、初出店し、極寒の中、ドラム缶のたき火に集まる参加者を目の当たりにした上野さんは、ランナー用に開発した新ストーブも公開。温風が足元に送られる中、ピザを調理したりご飯を炊く様子を見せた。
上野さんは「寒い中でも快適に過ごしていただきたい。温かい火と食べ物の周りには人が集まり、コミュニケーションも広がる」と笑顔を見せる。また「寒い時期にライフラインが止まった時、電気を使わない災害用ストーブは命をつなぐ。燃料となる竹パレットを有効活用できれば、これまで疎ましかった放置竹林が宝の山になる」と先を展望した