気さくに語り合う小説家の武田綾乃さん

小説家の生活など語る

テレビ番組や映画のアニメ作品にもなっているヒット作『響け!ユーフォニアム』シリーズで知られる小説家の武田綾乃さん(25)が、このほど府立莵道高校を訪れ、同校吹奏楽部の生徒らと親しく語り合った。さまざまなキャリアの社会人から話を聞く同校の取り組みの一環。武田さんは宇治市出身。宇治市観光大使を務めてもいる。また、同校がアニメ「響け!」シリーズのロケ地となり、その風景が映像に登場。縁がつながり、来訪が実現した。武田さんにとってはデビュー以来高校では講演経験があるものの、高校生らと間近に話すのは初めての機会という。

武田さんが会場の音楽室に入ると、待っていたのは吹奏楽部の1・2年生30人と、校内公募に手を挙げた1~3年生の6人の生徒ら。アニメ作品のオープニング曲が演奏された後、武田さんとの語り合いとなった。
最初は質問に武田さんが答える形に。「作家として辛かったことは?」「同時期にデビューした人がだんだん書かなくなることがある。同じ夢を追っていたはずの人が離れていくこと」「響け!シリーズで思い入れのあるキャラクターは?」「久美子。文芸的でアニメ向きではないが、ちょっとずつ成長して主人公らしくなってくれた」とやりとりが続いた。
質問が途切れると武田さんは「吹奏楽部の人に聞きたい」と切り出し、「楽器ごとに演奏者の性格ってある?」と各パートの生徒に順番に質問。「クラリネットは?」「フルートは?」と気さくに話しかけた。生徒らは「人数が多いので人間関係のトラブルになりがち」「お嬢様と思われるけれど、けっこう(おしゃべりが)うるさい」と緊張の面持ちで答えた。
作家生活を問われると武田さんは、「起きたらゲームをやり、原稿を書き、休憩でゲームをして、また原稿を書く。お手本にならないのでは」と破顔。そして「私は専業作家。会社で働きながら休日に書く兼業の人もいる。いろいろな選択肢のある仕事だと思う」と加えた。「若くて成功して良かったと思うことは?」との質問には、「実績が1つあると次の仕事がどんどんくる。そのチャンスが大きかった」と応じ、「大きな経験があると周りに伝わる」とエールを送った。
ユーフォニアムを演奏したメンバーのひとり、2年生の谷口絢香さん(17)は、「フレンドリーな人だった。『目標を立ててみんなで向かっていくことが大事』との言葉が心に残った」と、吹奏楽部の活動にも力をもらった様子だった。