完成した紙芝居を囲む女性の船・久御山ブロックのメンバーたち

65年前に地元を襲った大水害の歴史を語り継ごうと、府女性の船〝ステップあけぼの〟宇城久支部・久御山ブロック(家田洋子ブロック長)が、紙芝居「水とのたたかい」を作成した。経験則に基づき冷静に避難した先人の証言などを紹介し、家庭で災害に備える大切さを伝える。11月開催される町民文化祭で披露する。

1953(昭和28)年9月25日、台風による洪水で観月橋下流の宇治川左岸堤防が決壊し、久御山町(当時は佐山村、御牧村)はほぼ全域が浸水、「巨椋池の再現」と言われた。
今年は大水害から65年で、5年に1度の町総合防災訓練の開催年。そこで久御山ブロックは、防災を身近に訴える紙芝居の作成を決めた。メンバーたちは昨年から1年がかりで準備し、町内の水害体験者から当時のエピソードを聞き、文献や過去の記録を読み込んだ。資料を集めるのに苦心したという。
「水とのたたかい」は計9枚。同町は宇治川と木津川に挟まれ、山城盆地の中で最も低い位置にあるため、昔から水との戦いが繰り返されてきた歴史を振り返る。
65年前の水害時、決壊箇所から水が来るまでの時間を見極め、ご飯を炊いておにぎりを作って備えたり、農機具や大事なものを2階に上げてから避難したりした体験者談を紹介。紙芝居では、ほぼ全町民が被災したものの死者はなく、人的被害を最小限に食い止められた理由の一つに、「『先人から伝えられた生活の知恵』により避難が冷静で迅速であったこと」を挙げた。
最後に、南海トラフ巨大地震発生時に大阪湾の水が淀川をさかのぼって、久御山町にまで津波が到達する危険性を指摘。家族で災害について話し合っておくことや、各家庭での食糧備蓄を勧め、「『常に備えよ』。普段からの心構えが大切です」と呼び掛けた。
町民文化祭では初日の11月3日午前11時、午後1時、2時に発表する予定。ブロック長の家田さんは「紙芝居を聞いて、昔の人の知恵を参考に、南海トラフが起こっても被害が少なく済むようにしてほしい」と話す。発表後、町立図書館に寄贈するという。