日本一早い2019年『初摘み・手もみ新茶』が5日、宇治市宇治山田の「福寿園・宇治茶工房」で仕上げられ、地元の名士らが新春の一服を堪能した。
この日は、まず関西文化学術研究都市にある福寿園CHA遊学パーク温室茶園で、恒例となった初摘みの儀が行われ、茶の開祖・栄西禅師と同社の先祖に供茶。このあと白衣姿の研究員が、ごこう品種の生葉を収穫した。
これは「れき耕栽培」と呼ばれるもので、約100平方㍍のガラス温室内は天窓自動開閉、全自動保温、遮光カーテン、温風設備によって制御され、細かい穴を開けた小石を敷き詰めて茶木を栽培、パイプから水と肥料を染み込ませていく。
春の気象条件に合わせて細かい霧も噴出され、環境を微妙に変えることでニーズに応えた茶を作り出すことも可能。11月から夜間も蛍光灯をつけ、「深い休眠状態」にさせなない中で育った新芽は柔らかく、まろやかな味と爽やかな香りがあるといい、夕刻には宇治川の朝霧橋たもとにある工房で製茶された。
ここでは、急須でいれる宇治茶文化と、伝統技術を守り育て、多くの人に伝えていこう―と「体験」に力を入れており、冷蔵保存した新芽で1年間を通じて手もみがOK。
この日は福井正興社長・福井正憲会長をはじめ、来賓の山本正宇治市長、河井規子木津川市長、岡本圭司京都府山城広域振興局長、黄檗山萬福寺の近藤博道管長らが、仕上げ工程の板ずりを行った。
そして、この煎茶を味わう初茶会は、工房内の茶室「華松庵」で催され、宇治神社の花房義久宮司、宇治商工会議所の山本哲治会頭、宇治市茶道連盟の永谷房園会長ら地元を代表する顔ぶれが、二條流による和みの一服で、新緑の息吹きを感じ取った。
また、来場者は宇治茶工房前に開設された茅葺き屋根の「玉露亭」も内覧。玉露鯛茶漬けなどの料理が楽しめる茶寮のオープンを心待ちにした。