手話を初めて学ぶ人向けに始まった久御山町の講習会

手話を言語として普及と理解を図る手話言語条例。地元では2015年に城陽市、17年に宇治市、昨年は久御山町で制定され、手話を使いやすい環境づくりや、市民啓発などの事業が各地で進む。ただ府内では、聴覚障害者のコミュニケーションを手助けする手話通訳者の不足など課題もあり、社会総がかりで解決が求められる。
城陽市は府内で初めて手話言語条例を施行した。手話奉仕員養成事業や手話通訳者派遣事業、各種研修など従来事業に加え、同条例制定を機に、府の手話通訳者養成講座を受講する際の一助となる手話奉仕員ステップアップ講座などを開催。市内保育園・幼稚園での手話教室は昨年度に12園で計23回行い、園児に手話を身近に感じてもらった。
宇治市も職員や金融機関の従業員、民生児童委員対象の手話研修や中央図書館とのコラボ企画などを進めてきた。聴覚障害者などに対応するため、障害福祉課の窓口にタブレット端末を設置、昨年11月からコミュニケーションツールとして活用し、利用者の好反応を得ている。
久御山町では同条例制定後、初めて手話を学ぶ人を対象に、19日から町の短期講習会が始まった。「聴覚障害者は見た目で分からないのが特徴。聞こえる様子は人それぞれ。『声を出せるから聞こえる』という誤解も多い」。初日の講座では実技に先立ち、講師の手話通訳者が耳の不自由な人を取り巻く実情を説明した。
社会福祉法人京都聴覚言語障害者福祉協会によると、府内の手話通訳者・手話通訳士の登録者数は563人(昨年9月時点)。ここ4年は530~560人台で推移するものの、実動が可能な人数は限られており、高まる需要に応えきれないのが現状だ。登録者の高齢化や、担い手の養成が追いつかない悩みも抱える。
加えてここ最近は、企業研修などでも手話通訳派遣のニーズが増加。専門性の高い内容への手話対応は、通訳者の自己研さんが頼みの綱となっている。
ただ、課題はあっても、条例が住民と手話をつなげ、聴覚障害者のコミュニケーションや情報保障への意識が高まり始めたことは地域福祉に明るい兆し。同協会は「今すぐでなくとも、『聞こえない』ということへの理解が広がれば」と先を見据える。