釣り台に載せて矢形餅を運び、境内を巡行(室城神社)

二十四節気の一つ「啓蟄」の6日、久御山町内で春の訪れを告げる神事が2つ営まれた。地域の代表者が寄り合い、無病息災や悪病退散、この1年の営農の無事と豊作を願った。
下津屋の室城神社では「矢形餅(やかたもち)の神事」が執り行われた。
奈良時代を起源とする神事。山城地方に疫病が蔓延して多くの人々が亡くなった当時、聖武天皇が悪病退散の祈願で天王山の宝寺(大山崎町の宝積寺)を参詣した後、その帰り道に下津屋に立ち寄り、同神社に弓矢を奉納したとの言い伝えにちなむ。
今年は当屋や総代、下津屋自治会の関係者ら約10人が参列した。
半分に切った鏡餅に小豆あんをかけて弓に見立てた「弓餅」、矢じりになぞらえて薄く三角形に伸ばした「矢餅」を用意。ニンジンとダイコンのなます、サバなどと一緒に釣り台に載せて運び、野口重典宮司の導きで境内を厳かに行列し、神前に供えた。

社に鉢巻飯などを供え、無病息災や豊作を祈願する参列者(常磐神社)

一方、野村の常磐神社では、握り飯を縄で巻いた「鉢巻飯」などを供えて恵みの雨を乞う神事が営まれた。
鉢巻飯は「人間はいつも、頭に鉢巻を締めている気持ちで額に汗しながら仕事に精を出すことを忘れてはならない」と、働くことの尊さを知らしめた言い伝えにちなんだもの。高さ約10㌢の円すい状に整えた握り飯にワラ縄を巻き、頭に鉢巻をした人の姿に見立てる。
神事では、石垣の上に建てられた水の神様をまつる「らおさん」と呼ばれる社に総代ら4人が鉢巻飯や野菜、果物などを供えた後、玉串を捧げ、豊作を祈願した。