ふたつの民族が対立して住む常夏の島国
フィジー諸島 かけ足見聞記
高橋内科医院院長 高橋 権也

第3回 見上げればマンゴ、ココナッツにナツメヤシ たくさんの実のなる木があります


 南の島は高温多湿です。植物の成長は大変早く、島中どこを見上げても木の上には食べられる果物が熟しています。今回は南国で見られる果物の話です。
 まずマンゴーです。最近は日本でもよく売れるようになり、スーパーの果物売り場でも見かけるようになりました。原産はインドといわれていますが、世界中に広がった人気の果物です。フィジー諸島にはラピタ人が持ち込みました。
 私が今まで東南アジアや太平洋の島々で見たマンゴーの木は人の背丈ぐらいで、1本の木に10個か20個程度の実をつけていました。しかしフィジーの小学校の校庭にあったマンゴーの木は高さが10mぐらいある大木でした。しかも1月は最盛期から外れているのに何百個というマンゴーが鈴なりです。熟すと自然落下しますので拾って食べるのだそうです。

 
 ココ椰子の実は繊維性の硬い殻にくるまれたココナッツです。30mを越す背丈の高い椰子もあります。南の島ではどこでも見られる一般的な果物です。大きさはソフトボール大からメロン大までいろいろです。小さいものは市場で30円から60円程度で売っています。殻の内側には固形の胚乳が層状に付いています。中身はほんのりと甘いジュースが詰まっています。小さい穴を開けてストローで飲みます。成熟果の胚乳はすりおろしてそのまま食べます。かすかに香ばしい味がします。これを水で抽出するとココナッツミルクになります。乾燥した固形胚乳はコプラと呼ばれ食用油の原料になります。
 ナツメ椰子は北アフリカから中近東が原産です。梅の種ぐらいの大きさの実がぶどうの房のようにぎっしりとぶら下がっています。果実は干しぶどうのように加工して食べます。甘いのでジャムのように加工できるそうです。
 パンの実はメロンぐらいの大きさで、高さ5mぐらいの木に10〜20個ぐらい実をつけています。表面はざらざらできれいな緑色です。中身は薄いクリーム色です。調理法はそのまま蒸して厚く切り分けます。しかし、パンというイメージではありません。むしろ蒸かし芋の感じです。私はタロ芋と思って食べましたが、お聞きしますとパンの実でした。パンの実はヨーロッパの船乗りたちが名づけたと思いますが、熟す時期と調理法によってはもう少しパンの食感がでるらしいです。
 パパイアはアメリカ大陸が原産で、フィジー諸島には交易によってもたらされました。パパイア畑の木は植えてから半年ほどで2m程度に生長します。果実は幹から直接ぶら下がっていて、下のほうから黄色く色づきます。民家の庭などで見るパパイアは多年木で5m以上に成長し、果実はその年に成長した上部の幹にぶら下がっています。
 パイナップルは16世紀以後西洋人によってフィジーにもたらされました。熟すると芯まで柔らかくなり、大変甘くて香りが豊かです。
 フィジーでは何もしなくても一年中果物が豊かに実りますので、農耕民族のように苦労して計画的に働く習慣がありません。市場で野菜や果物の売り場を見ますと並んでいる商品はほとんど輸入品です。値段は信じられないほど高価です。飛行機から見ますと、畑がたくさんありまが、現地の日本人に聞きますと、地元の野菜は形が悪くてまずいそうです。
 マーケット売り場で見ますと、小さなトマト1個が360円ほどです。日本では売り物にならない小さなリンゴは1個で300〜400円です。じゃがいも、ニンジン、きゅうり、ブロッコリなど日本でおなじみの野菜も日本の価格の2〜3倍です。
 国民所得から考えると信じられないほど高価な輸入野菜や果物は、誰が買うのでしょうか。しばらく見ていますと、買い物をするお客さんは全員インド系の人たちでした。インド系とフィジー系の経済格差は買い物客に如実に現れています。(つづく)
【写真はオバラウ島レプカ小学校の子供たち】

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