![]() |
|
| ■ふたつの民族が対立して住む常夏の島国 |
| フィジー諸島 かけ足見聞記 |
| 高橋内科医院院長 高橋 権也 |
|
第4回 日本の茶道に似たカバの儀式 フィジーで受ける最高のもてなしです フィジーを訪れる観光客がどこかで必ず受ける儀式です。私たちもこのカバの儀式で村人たちの歓迎を受けました。この儀式を村長さんから受けるとその村に入るパスポートをもらったことになるのだそうです。 カバ(英語)とは南太平洋に自生する胡椒科の木のことです。乾燥させたカバの木の根を水の中に漬けて両手で搾り出すとエキスが流れ出て、泥水のような液になります。この液を小さなお椀から飲み干すのです。 カバの儀式で必ず用いられるのが直径60pぐらいのタノアと呼ばれる木の鉢です。鉢の底には必ず4本の足がついています。その鉢の中に5リットル程度の水をいれて、カバのエキスを作ります。 実際にはカバの根を使うのではなく、カバの根を粉末にしたものを小さな布袋に入れて水の中で揉み出します。粉末のカバは市販されていますのでそれを使うと簡単に抽出できます。
参加者全員にカバの汁が一巡したら、何度でも繰り返されます。ホスト役の3人をはじめ周囲の男性たちはタノアに残っているカバの汁を行事の間ずっと飲み続けていました。 カバの汁を口に含むとわずかに舌がシビレます。山椒の実を噛んだときのシビレに似ています。カバのエキスには沈静作用と催眠作用があります。フィジーのカバは麻薬の作用はありません。味はほとんどなく、決しておいしいものではありません。表現が悪いのですが、カルキの多い水道水に石灰が混入したようです。使われる水は粗末なバケツで運ばれてきますので、水の出所が不安です。これを飲み干すには勇気が要ります。 私はフィジー滞在中に3回カバの儀式を経験しました。目立った副作用はありませんでした。3回目になると飲み慣れましたが、たくさん飲みたいとは思いません。 カバは数千年も前からメラネシア人によって、いろいろな用途に使われてきました。しかしメラネシア人が多く住むパプアニューギニアやソロモン諸島では、カバの儀式は経験しませんでした。これらの国では、儀式ではなく、コーヒーを飲むような感覚でカバを飲む習慣があるそうです。お客をもてなす儀式化した日本の茶の湯と、日常飲む緑茶の関係に似ています。 (つづく) 【写真は長老たちによって行われるカバの儀式】 |
| <<BACK | 目 次 | NEXT>> |
|
copyright©洛南タイムス社 京都府宇治市宇治壱番26 TEL 0774-22-4109 FAX 0774-20-1417 ※このサイトに掲載する記事や写真、その他のデータの著作権は、洛南タイムス社 またはその情報提供者に属します。無断転載を禁止します。 |