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| ■ふたつの民族が対立して住む常夏の島国 |
| フィジー諸島 かけ足見聞記 |
| 高橋内科医院院長 高橋 権也 |
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第6回 高い失業率と国際紛争の中でほんろうされる過酷な出稼ぎ労働者たちがいます 2006年度のフィジーの輸出額は約9億フィジードル、輸入額は26億フィジードルでした。17億フィジードルの輸入超過です。この不足分を埋めるためには外貨を稼がなくてはなりません。リゾートホテルによる観光は大きな収入源です。しかし最近の政情不安で観光収入は激減です。失業率は1999年で7・6%、2005年で12・1%です。産業の育成は容易ではありません。 しかし隠れた大きな外貨収入の道があります。それは傭兵です。太平洋の諸島の国々は、人口が少ないため軍隊を持つことは経済的に不可能です。オーストラリアとニュージーランドを主要メンバーとする多国籍軍が太平洋諸国の治安を守っています。フィジー諸島共和国は軍隊を持っていて、この多国籍軍に軍隊を派遣しています。太平洋の島々の国の中で軍隊を持っている国は、他にパプアニューギニアとトンガがあります。 フィジー諸島は、83万人の人口で3500人の軍隊と1万5千人の予備役を持っています。その上失業中の退役軍人がたくさんいます。国連の平和維持活動にも積極的に参加し、稼ぐ給料は1ヶ月1030米ドルです。フィジー政府は積極的に派兵を売り込んでいます。
アメリカを中心とする多国籍軍は、イラク戦争でたくさんの戦死者を出しています。しかしフィジーの人口比で計算するとフィジー人はイラク人と同じくらい死んでいる計算になるそうです。 フィジーの非政府組織のある団体は「85万人の国民のうち、イラクだけで5千人、PKOなどを含めれば数万人が戦地体験を持つフィジー社会では、軍の発言力ばかりが強くなる。クーデターが頻繁に起きる根もそこにある」と述べています。「危険な戦地での活動によって心的外傷を抱えて帰国し、人格が変わった話をよく聞く」ともありました。 また、別の団体からの発信ですが「2003年、英国の企業G社はフィジーに支社をかまえ、元兵士500人を雇ってイラクに送り、危険な戦場で警備の仕事につかせた」とか、「2005年H社は181名のフィジー人を雇って中東へ送った。月給は1700米ドル」。これは推定貧困ラインの10倍だそうです。同じ仕事で米国人を雇えば5万ドルかかり、バングラデッシュ人を雇えば500ドルですみます。 フィジー人がこういう仕事で国内の家族に送金する額は、申告された分だけで2004年には2億6千万フィジードルに上がっています。 イラクで米兵が戦死すると大騒ぎになりますが、新聞に報道されないところで、軍事会社に雇われた社員が大勢戦死しています。しかし彼らは戦死者の中には数えられません。イラク戦争は「民間委託の戦争、民間請負戦争」ともいわれています。ブッシュ政権の副大統領で、イラク戦争を遂行した男が経営する軍事会社に膨大な戦争請負費用が流されました。更にイラク復興費用として、膨大な請負費用が今後もこの会社に流れることになっています。この非人道的な浪費が多くの人々を傷つけ、世界の経済をメチャクチャにしました。(つづく) 【写真はレブカ空港前の風景。空港建物に通じる泥道の真ん中で子牛がねそべっていました】 |
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