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| ■ふたつの民族が対立して住む常夏の島国 |
| フィジー諸島 かけ足見聞記 |
| 高橋内科医院院長 高橋 権也 |
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第7回 村人たち全員で合唱する美しい歌声が椰子の木々の間に響きました 私たちはビチレブ島の珊瑚が美しい海岸、コーラル・コースト沿いのナマタクラ村で村人たちと交流しました。人口300〜400人の大きな村です。フィジーでは、数家族が集まった村からこのように大きな村まで、村単位で昔から暮らしてきました。今でも相互扶助の精神が生きており、村人たちは一つの家族のように助け合いながら暮らしています。村人たちは全員がキリスト教徒です。プロテスタントの教会が2ヵ所、集会所が3ヵ所ありました。 太平洋の島々はどこも同じですが、ヨーロッパの船乗りが新しい島を発見すると、その後に商人と宣教師がやってきました。フィジー諸島も例外ではありませんでした。原住民のフィジー人全員にキリスト教が広がりました。
フィジー諸島はヨーロッパ人が来るまでは、いくつかの村が集まった部族単位で生活していました。同じ部族内では人々は助け合って暮らしていますが、部族間の争いが絶えなかったようです。イギリスの植民地になって、従来の伝統的な政治形態を踏まえながら統一国家になりました。しかしフィジー諸島で複雑なのは、サトウキビ畑の労働者としてイギリス人が連れてきたインド人が、ヒンドゥ教やイスラム教だったことでした。最近激化した両者の対立が新しい複雑な政治的混乱となって、フィジー諸島共和国の将来に影を落としています。 教育支援の活動で、私たちは植民地時代に首都であった離島の町を訪問しました。オバラウ島のレブカ小学校です。私たちが訪問した日は、ちょうど夏休みが明けた始業式の日でした。子供たちとの交流で、私たちは大きな感銘を受けました。子供たちの美しい歌声がとても印象的でした。フィジー人は合唱が大変うまいのです。子供たちが歌うと、周りにいる大人たちが後追いで重厚なハーモニーを響かせます。町には大小の教会がたくさんあります。村人たちはみんな教会に通っていますので、日常的に教会で合唱する機会が多いのだと思います。 子供たちの歌に合わせて踊る伝統的な踊りも見せてもらいました。若い男たちが演ずる迫力のある踊りに“メケショウ”があります。かつての部族の戦いを表現した舞いです。若い男性たちが槍や斧を持って乱舞します。武器を手に奇声を発して、見物人に襲いかかるようなしぐさをしますので、大変迫力があります。戦士たちは一枚の短い布を腰に巻いて左わき腹で留めています。今もフィジー男性は「スル」という膝下まであるスカートのような衣服を着ています。日本でいえばスーツのような礼服です。 座り込んで、上半身だけの激しい動作で踊る踊りもありました。女性たちだけの踊りもあります。おとなしい踊りで、日常生活を表現する振り付けだそうです。波を表現したフラダンスはポリネシア人の国々で見られる踊りですが、それとは違う素朴な踊りです。囃子は女性や子供たちも担当します。大きな丸太を丸木舟のようにくり抜いた民族楽器のリズムに合わせて、テンポの速い歌が続きます。 私たちの訪問は村人たちや子供たちにとって、時ならぬお祭りの場になりました。勿論、ナマタクラ村でもレブカ小学校でも、長老たちによるカバの儀式が延々と続きました。(つづく) 【写真は村の女性たちによる生活を表現した伝統の踊り。後ろで座っている人たちがテンポの速い曲を歌います】 |
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