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| ■ふたつの民族が対立して住む常夏の島国 |
| フィジー諸島 かけ足見聞記 |
| 高橋内科医院院長 高橋 権也 |
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第8回 日本では見られない感染症がまだ多いが、生活習慣病にも力を入れ始めています フィジー諸島は南緯20度前後に位置する熱帯気候で、日本人から見ると常夏の国です。気温が最も高い時期は、私たちが訪問した1〜2月で日中は32度程度です。しかしこの時期は雨期なので雲が多く、少し蒸し暑い程度で、それほど暑さは感じませんでした。7〜8月は冬で、気温は28度程度です。 日本の台風に当たるサイクロンは11月から1月にやってきます。私たちが訪問する2週間前の1月8日から2回に渡って、大きなサイクロンがフィジーを襲い各地に大きな被害がでました。 2008年の統計では、フィジーの一人の女性が生涯に生む子供の数は2・68人(日本は1・22人)、乳児死亡率は出生千人当たり11・88人(日本は2・8人)です。平均余命は男性68歳(日本は78・7歳)、女性73歳(日本は85・6歳)です。フィジーの平均寿命はフィリピンと同じ水準です。乳幼児の生活環境は良好で、乳児死亡率はフィリピンの半分です。
最近では感染症以外の病気、たとえば糖尿病や高血圧症の対策にも力をいれるようになりました。フィジー系フィジー人は、男も女も肥満の人が大変多いので、糖尿病や高血圧など肥満に伴う病気も多いと思われます。シンガトカの保健所の壁に「1日に30分歩きましょう」というポスターがありました。この国の人たちも歩かなくなったのでしょうか。 植民地時代に首都であったオバラウ島のレブカは人口3000人ぐらいの町です。ここでポリオワクチン接種活動をしました。その時に町の病院を見学しました。この病院には19世紀の植民地時代からの建物が残っています。ベッドは40床で医師は3人、外来患者は毎日70人程度という説明でした。しかし病室はがらがらです。男性の総室と女性の総室に一人ずつ、新生児室と産後の回復室に一人ずつの患者さんで、ほとんどのベッドは空いていました。この病院は公立で治療は無料なのに、大変低いベッドの稼働率です。入院患者が少ないのはなぜでしょうか。@平均寿命は70歳で日本ほど高齢化が進んでいない、A高血圧症や糖尿病の初期治療をするという習慣が無い、B村では助け合いの精神があるので家庭介護が容易、などが考えられますが、はっきりしません。フィジー駐在の日本大使館で大使にもお聞ききしましたが、はっきりした理由はわかりませんでした。 この国には公立総合病院は3ヵ所、私的総合病院は1ヵ所あります。そのほかに私的クリニックもあります。医療費は公立病院では無料、私的医療機関では自費です。公立病院で自費診療を受けることも出来るという説明でしたので、無料の医療は診療内容に制限があるのだと思います。 フィジーで行われる小児の予防接種はBCG、ポリオ、三種混合、B型肝炎、風疹、麻疹、の他に、日本ではまだ行われていないインフルエンザB型菌の予防接種(ヒブワクチン)があります。インフルエンザB型菌は小児の髄膜炎の原因になります。(つづく) 【写真は村の男たちによるメケショー。戦いを表現した伝統の踊り】 |
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