ふたつの民族が対立して住む常夏の島国
フィジー諸島 かけ足見聞記
高橋内科医院院長 高橋 権也

第9回 魅力ある観光資源の開発が今後のフィジー経済を助ける道です


 アメリカ中央情報局のデータベースを見ますと、フィジー諸島は332の島々から成り立っており、そのうちの110の島に人が住んでいると記載されています。南太平洋の平らな小さい島々は珊瑚礁から出来ています。真っ白な海岸の砂は良く見ると珊瑚の細かい破片です。航空機から見ますと、陸地とも海面とも知れない青白い区域があちこちに見られます。海底の珊瑚礁が水面すれすれに顔を出しているのです。潮が満ちても水没しなくなれば「島」になったといえると思います。しかし「どの程度の大きさから島と言うのかな」というのが私の素朴な疑問です。
 フィジーの産業は繰り返されるクーデターの影響が大きく響いています。主要産業である砂糖は設備の老朽化に加えて、インド系とフィジー系の対立によって衰退の一途です。インド系の人はこの国の経済をにぎっていますが、土地の所有者は先住民であるフィジー系の人々です。村の共有地も多くて、インド系の企業家が土地を買うことは法律的にも困難です。たとえ土地を持っても政変で取り上げられる恐れがあります。そのためインド系の人は土地所有者になりません。

 
 フィジーの経済自立を助ける近道は、観光事業の再開発だと思います。明るい太陽と椰子の木が茂る白い砂浜があり、治安が良ければ欧米資本の豪華なリゾートホテルが進出します。現在、交通の便利なナンディー国際空港の近くには、リゾートホテルやマリーナが集まっています。フィジーの人々は笑顔がすばらしく、人当たりが柔らかいのでホテルの従業員として適性があると思います。
 観光客を呼び寄せるには、治安が良いことが最低の条件です。環境をきれいに保つことも大切です。ホテルに供給する食品も輸入品ではなく、地元の産物を供給するシステムを充実する必要があります。
 しかし、政治不安によるインド系住民の国外脱出などで、観光客の数は減り続けています。フィジー政府の統計では2007年にフィジーから他国へ移住した人は4760人に達しています。その8割はインド系の住民です。
 2007年にフィジーを訪れた外国人は54万人です。内訳はオーストラリアが21万人(38%)、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、日本の順です。日本からは2万3千人が主に観光で訪れました。成田発着の週2回の直行便がありましたが、この3月で廃止になる予定です。
 観光客に一番人気のある季節は7月です。7月はフィジーの冬です。気温は28度で温暖、雨が少なく天候が安定し快適です。日本からの観光客は9月が一番多くて3200名訪れています。各国人の平均滞在日数は6・3日から15・6日です。最も短いのはもちろん日本人で6・3日です。日本からの観光客は新婚旅行、マリンスポーツが主流です。働き者の日本人は6日位が限度かもしれません。
 在留邦人は420名、日系企業は10社です。企業は観光、飲食、水産などの分野で活動しています。JICAからは青年海外協力隊の30名が教育、医療の分野を中心にして各地に配属されています。彼らの任期は2~3年です。40歳から69歳までを対象にしたシニア海外ボランティアは20名です。農業指導や教育指導者の養成など、日本での職歴を生かした活動をしています。(つづく)
【写真は小学校の父兄と子供たちによる伝統芸能。座ったまま上半身だけで踊ります】

<<BACK 目 次 NEXT>>

copyright©洛南タイムス社
京都府宇治市宇治壱番26
TEL 0774-22-4109 FAX 0774-20-1417

※このサイトに掲載する記事や写真、その他のデータの著作権は、洛南タイムス社
またはその情報提供者に属します。無断転載を禁止します。