洛タイ投書箱



市町村合併問題パンフレットへの期待
2002年 9月 3日


◆…8月30日付本紙によると、宇城久・綴喜地域の7市町長などが出席する第2回合同分科会が29日に開催され、市町村大合併問題について「住民への情報発信が課題」、9月中にも「全世帯向けに合併問題のパンフレットを作成、配布していくことと決めた」とのこと。
◆…遅まきだが当然なすべきことです。ただ、住民への説明資料は、全国的にほぼ国の流す情報に沿う内容で、その柱は財政問題のようで、事務局がまとめた「報告書」も、「合併によって財政基盤の充実が見込まれる」としているとのこと。
◆…確かに、地方交付税が地域住民の生活基盤を支えるものではないという問題もあり、国の財政赤字がムダな大型土木開発事業や外務省の機密費などに見る乱脈や軍事費の増大などに起因して、自治体財政の健全化が課題であるのは当然です。しかし、国の財政政策のツケを自治体が肩代わりするための合併、というのは、自治体の首長としても納得がゆかないのではないでしょうか。
◆…31日に精華町で政府主催のシンポジウムが開かれ、「国の全国一律という方法では住民に高いサービスを提供できない時代になった」という意見も出た、と9月1日付M紙が書いています。
◆…この意見の趣旨は判然としませんが、たとえば義務教育国庫負担制度というのは、全国の子どもたちに無償で義務教育を受ける権利を保障するという、憲法第二十六条に定められた国の責務を果たすための制度。ところが政府はこれを見直しするとして、遠山文科相は30日、国庫負担金のうち教職員の退職手当など約5000億円を削減すると表明。
◆…31日までに全国28都道府県(教育委員会8、議会1を含む)がこの制度の堅持を求める要望書や意見書を出していることが、児玉健次衆院議員に対する文科省の回答で分かりました(9月1日A紙)。全国都道府県教育委員会協議会と同教育長協議会とが連名で、全国市町村教育委員会連合会も、国の責任放棄だとして制度の堅持を要請しています。
◆…「国の全国一律方式では住民に高いサービスが提供できない」という。国民健康保険税・介護保険料・医療負担費の大幅引上げという国の施策が住民を苦しめ不安を募らせているのです。住民の強い要求もあって減免措置を講じている自治体に文句を言ってるのは政府です。
◆…浦和・大宮・与野3市が合併して誕生した「さいたま市」では、たとえば胃がん検診は有料になり、市立高校入学金は浦和5500円、大宮4500円だったのを5000円に統一、2002年度は5650円に。80歳以上の敬老理容サービスは廃止になったとか。
◆…秋川市と五日市町が合併してできた「あきる野市」では、公民館をはじめ、施設の使用料は有料化と値上げが相次ぎ、国保税・下水道料・学校給食費・保育料すべてが値上げされたということです。
◆…合併すれば住民には今より高度の良質なサービスが提供できるのか、この点の見通しを住民は知りたいのです。4町合併で生まれた兵庫県篠山市では旧2町の役場が支所になり職員がそれぞれ1ケタに激減で、支所機能も行政サービスも低下と報告されています。
◆…全国的町村会も強制合併に反対していますし、全国町村議会議長会は5月末に決議をして「合併を推進することのみが果たして効率的な行政を確保し、真の地方分権につながるものか、極めて疑問である」と強調しました。
◆…住民にとって、利便やサービス、住民負担はどうなるのか、住民の声の行政や議会への反映はどうなるのか、地域の経済や文化は、自治体財政の見通しは、などが合併問題を考えるモノサシではないでしょうか。
◆…市や町が配布するというパンフレット、どこまでこういう疑問に答えてくれるのか、まずは期待することにしましょう。
(宇治市広野町・須田稔)

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