| 洛タイ投書箱 |
| 「世界遺産のまちと巨大マンション」 | ||
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◆…10円玉銅貨には鳳凰堂が刻印されていますが、今度新たに新1万円札に平等院の鳳凰が載りました。この平等院が宇治上神社とともに世界文化遺産に登録されて今年12月で10周年。この10周年目に、宇治市は、世界遺産を生かし、都市景観形成基本計画にもとづいて、景観文化都市をめざし美しいまちづくりをすすめる道を選ぶのか、それとも第3の巨大マンションを容認することによって世界遺産のまち並み破壊の方向に進むのか、重大な岐路にあります。 ◆…(株)泰明ハウジングが平等院の西450mの宇治妙楽に計画しているマンションは、高さ20m、長さ100mの巨大マンションです。これに対して、宇治市は大規模建築物等の届出基準20mに3センチ低いことをもって「都市景観条例の対象でない」「開発指導要綱に合致していれば認めざるを得ない」として、「都市景観条例」や「都市景観形成基本計画」を無視して、事業者への助言・指導責任を放棄しようとしています。 ◆…一方、6月にマンション計画が新聞報道されて以降、宗教法人・平等院や宇治・世界遺産を守る会が宇治市長へ「見解」、「意見書」、「公開質問書」を出し、また地元8町内会が宇治妙楽マンション対策連絡協議会を結成し、市長、議会、事業者へ「要望書」を出しました。そのいずれもが世界遺産の景観と居住環境を守ること、また市長が事業者に対して計画変更を助言・指導することを求めています。 ◆…「都市景観審議会」も、審議会に事業者の出席を求め、質疑をおこない、「このまま建設されるのであれば『中止』を望む」と異例の質問書を出しました。建設予定地で遺跡が発掘されたこともあって「発掘遺跡は、歴史的遺産として位置付ける必要がある。NHK大阪の場合、発掘遺跡を保存するために地下を博物館にしている。」「まちづくりの拠点にしてはどうか」「市が購入するということについて検討してはどうか」などの意見も出されました。 ◆…宇治市は、平成13年、「都市景観形成基本計画」で、世界遺産である平等院と宇治上神社とその間を流れる宇治川流域を宇治市民のシンボル景観と決定し、これを保全し後世に継承することを決定しているのです。平成15年7月、国土交通省は「美しい国づくり政策大綱」を策定し、その前文で「国土交通省は、この国を魅力ある国にするために、まず、自ら襟を正し、その上で官民上げての取り組みのきっかけを作るよう努力すべきと認識するに至った。そして、この国土を国民一人一人の資産として、我が国の美しい自然との調和を図りつつ整備し、次の世代に引き継ぐという理念の下、行政の方向を美しい国づくりに向けて大きく舵を切ることとした」としています。 ◆…また「地域ごとの状況に応じた取組みの考え方」において「世界文化遺産や伝統的建造物群保存地区の歴史的景観、我が国を代表する日本三景の自然景観などだれでもが認める優れた景観は行政と国民の責務として保全すべきである」としています。 ◆…今年6月制定された「景観法」は、第2条で、「良好な景観は美しく風格ある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ、国民共通の資産として、現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう、その整備及び保全が図られなければならない」と定め、政令市、都道府県、市町村が景観形成団体となって「景観保全計画」を定め、良好な景観を保全すべきことを定めています。その景観法も12月施行になります。 ◆…世界遺産のまち・宇治において居住環境と世界遺産の景観を破壊する巨大マンションは認めることはできません。市長は、世界遺産を守る責務があるのであり、大胆に計画変更を求める必要があります。必要ならば、土地を買い取る、あるいは建物の上層部を買い取ってでも世界遺産の景観と居住環境を守る必要があるのです。そして世界遺産のまちにふさわしいまちづくりのルールをつくり、発展させることが求められています。 ◆…今、宇治市長と宇治市民は、2つの世界遺産をもつ日本に比類の無い「世界遺産のまち・宇治」をその名に恥じない美しいまちにするために、選択を間違わない対応が求められていると思います。 (宇治市大久保町・薮田秀雄) |
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