洛タイ投書箱



「記者席」の一文に寄せて
2005年2月3日

◆…韓国のテレビ・ドラマ「冬のソナタ」「美しき日々」。「人の心の動きを丹念に描きあげる」と藤本博記者は誉め(1月26日付)、わたしの知人数人も「映像と音楽のていねいな作り」に感嘆する。近くて遠いと長いこと言われてきた隣国の映像文化が鑽仰まじりの共感をよぶのは、うれしい。
◆…が、わたしたちの国がその国の人びとから世界で一番嫌われているとすると、悲しい。しかし、ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ、イ・ビョンホンに熱をあげても、韓国という国が好きかと問われれば、嫌いと答える人もいるだろう。チャールズ・チャップリンやオードリ・ヘップバンに今なお魅惑されるわたしは、ブッシュ政権のアメリカは大嫌いなのだ。
◆…「自虐史観」を言いたてる政治家や学者も、富士山を美しいと思うだろう。しかし、その裾野に日米合同軍事演習とやらで実弾を射ちこむことを、かれらは「非愛国的」暴挙とは考えないだろう。暮らしを支えるエメラルドの豊かな辺野古の海とサンゴとジュゴンを保護することよりも、巨大な海上軍事基地を建設することの方が「愛国的」だと考えるのだろう。
◆…戦争放棄を韓国・中国はじめ世界の人びとに誓った日本国憲法第九条を、公正で平和な世界秩序の第一原則にしたいと願うわたしに共鳴してくれる韓国人学者も、過去の植民地主義と侵略戦争を「反省するどころか正当化する」日本国の政治家・学者・ジャーナリストに対しては憤怒を隠さない。
◆…過去を記憶することで未来への羅針盤を確かなものにしよう。想像力を磨きたい。他者の痛みに鈍感であることを恥じよう。無知と無関心が人間世界の悲惨を増幅する。
◆…情報化社会だけに、マス・メディアとジャーナリズムの責任は重大なのだ。藤本博記者の正気と健筆がうれしい。
(宇治市広野町宮谷・須田稔)

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