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天ケ瀬ダム1500d/秒放流は宇治川にとって危険!
2007年10月15日


◆…9月27日の新聞報道によれば、宇治市は、市議会で、国土交通省の淀川水域系河川整備計画原案で天ケ瀬ダムの放流能力を現行の900d/秒から1500d/秒に増やす計画に賛意を示した。原案より放流能力を下げるように国に意見すべきとの質問に対して、建設総括室長が「1500dの放流能力は、琵琶湖の洪水期の対応はもちろん、宇治川での洪水の安全な流下のためにも必要」と言明したとのこと。この答弁は、国土交通省の回答と異なり、無責任きわまるものです。
◆…9月19日の淀川水系流域委員会へ提出された国土交通省の回答で、@天ケ瀬ダムの放流増(900d/秒→1500d/秒)は琵琶湖の後期放流(下流で洪水が終わった後、琵琶湖の水位を低下させる)ために必要。A計画規模洪水(昭和28年台風13号型)の天ケ瀬ダムの最大放流量は1140d/秒、琵琶湖後期放流の対応のための最大放流量は1500d/秒であることが明らかになりました。
◆…つまり天ケ瀬ダム1500d/秒放流量能力は、琵琶湖の後期放流のために必要であって、宇治川洪水対応は1140d/秒でよいということです。
◆…今回の河川整備計画は、宇治川では戦後最大洪水・昭和28年台風13号洪水を対象として、河川整備する計画です。B「宇治川における戦後最大洪水流量は1500d/秒か」という質問に対して国土交通省の回答は、「天ケ瀬ダムを含め、現況の宇治川流域において戦後最大洪水である昭和28年9月(台風13号)洪水時の実績降雨を想定した場合、宇治川における洪水時の最大到達流量は約1100d/秒を想定。1500d/秒は琵琶湖後期の放流を想定した流量です」と回答しています。
◆…そもそも天ケ瀬ダム再開発・1500d/秒放流は昭和46年の淀川水系工事実施基本計画の計画です。宇治橋上流域において2日間で272_の降雨があった場合(宇治川洪水)、天ケ瀬ダムと大戸川ダムで調節して、天ケ瀬ダムで1200d/秒放流、宇治橋付近で1500d/秒の計画高水流量となるというものでした。
◆…宇治川洪水で1500d/秒が流れて来るから1500d/秒改修が必要だと市民に向けて宣伝し、改修後の宇治川を琵琶湖後期放流に利用するというものです。
◆…しかしBで明らかになったことは昭和28年台風13号洪水を想定した時の宇治川の最大洪水流量は約1100d/秒であって、1500d/秒ではありません。
◆…天ケ瀬ダム1500d/秒放流は、むしろ宇治川にとっては危険です。それは高水位の洪水を長期間(宇治川洪水は1日程度、後期放流は10日以上継続も)流すということであって、全国で例がありません。下流の堤防の安全性が大きな問題です。また宇治川塔の島地区は現在1000〜1100d/秒の流下能力しかなく、琵琶湖後期放流の1500d/秒を流すために河床を掘削することによって河川環境を大きく損なう危険性があります。河床掘削による水位低下で名勝亀石は陸に上がり、日干しになることになります。
◆…河川法の趣旨に沿って、宇治川の治水と宇治のシンボル景観であり、2つの世界遺産と一体となった宇治川の河川環境(河川形状、景観、生物生息・生育環境など)の保全・修復の双方を考慮すれば、宇治川塔の島地区で1200d/秒の改修を行えばよいのです(下流はすでに1500d/秒以上が流れる状態)。
◆…琵琶湖の後期放流が必要だとしても、宇治川塔の島地区の1200d/秒の流下能力に合わせて天ケ瀬ダムの放流量は1140d/秒(宇治川洪水の最大放流量)に抑制するのが筋であるといえます。
(宇治・世界遺産を守る会 薮田秀雄)

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