宇治国際交流クラブ総会で母国についてプレゼンする実習生たち

人口減少時代が本格化する日本で、目に見えて増え始める在留外国人。人手不足が叫ばれる中、さまざまな労働現場に技能実習生としてやって来た若者が困難にぶちあたるケースが少なくない。地元では一方、日本語教室に通う実習生とボランティアらが交流を深め、「共に生きる」展望を開く好例も生んでいる。
法務省は22日、2018年末の在留外国人が、過去最多の273万1093人(前年同期比6・6%増)で、うち技能実習生は32万8360人(同20%増)と発表。また、18年の在留資格別の新規入国者のうち、技能実習生は15万161人(同18%増)を数え、制度導入以来、過去最高となった。技能実習生の出身国別では、16万4499人(同30%増)のベトナムの伸びが目立つ。4月には在留資格に特定技能が新設され、外国人労働者の就労はさらに拡大する。
国際貢献の美名のもと始められた外国人技能実習制度では、母国での送り出し・日本での迎え入れを行うのが行政でなく、いずれも職能団体などが主。渡航前に必要な日本語を学ぶ機会は数少なく、それを名目に借金がふくらむケースも引き起こす。
いざ日本にやって来た実習生たちに立ちはだかる壁は、はじめに言葉。地元では、スピーク・サロン、朋友館日本語教室、宇治国際交流クラブ日本語教室(宇治市)、城陽市国際交流協会夢気球(城陽市)のほか、昨年4月からは久御山日本語教室が、ゆうホールを会場に毎週水曜、マンツーマン指導し、毎回、実習生ら約30人の在留外国人生徒が、有志の手ほどきで日常会話や読み書きを学ぶ。
町内事業所に勤める実習生は、以前は宇治まで1時間以上掛けて自転車を漕いで通っていたといい、スピーク・サロン代表で宇治国際交流クラブ会長の伊勢村紀久子さんは「(実習生が)携帯電話をメッセージ機能のみの契約にしており、連絡が取れずに、台風でも自転車でやって来たり、危険だった」と関係者も待ち望んだクラス誕生となった。
伊勢村さんは「帰国してよい仕事に就きたい、あるいは、日本で勤めたいと考え、しっかりと日本語を勉強する生徒は多い」と話す。
宇治で19日に同クラブの年度総会があり、久御山町内の事業所に技能実習生として勤務するベトナム出身の若者8人が映像を交えたプレゼンテーションで母国事情・文化を紹介。伝統衣装のアオザイを披露し、会場一体でダンスを楽しむシーンに笑顔があふれた。
伊勢村さんは「元々、中心的な1人がボランティアをしたいと意欲的だった。今後も、地域イベントに参加して広がりを見せる」と期待を寄せる。ベトナムの若者たちは、近隣図書館で親子らに読み聞かせも継続して行っている。
一方、スピーク・サロンの教室となる菟道ふれあいセンターは来年4月で閉鎖へ。手ほどきする側の日本人有志も高齢化と、なり手不足が進む。伊勢村さんは「地元のさまざまな人が集まり運営する日本語教室が、ぽつぽつと各地に生まれないかなあ…」とつぶやく。